感情が揺れてしまうことに苦痛を感じる時

感情が揺れることに対して、不安や苦痛を感じることがあります。
あるいは、特定のネガティブな感情(例えば、緊張など)に強い抵抗感や拒絶感を抱き、パニックに陥りそうになることもあるかもしれません。
本記事では、感情の揺れを適切に扱い、感情が揺れてしまうことによる苦痛を和らげる方法をご紹介します。
感情が揺れることに苦痛を感じる原因
私たち人間は、ネガティブな気分になることに対して、自然に自分を守ろうとするため、反射的に抵抗や拒絶を感じる傾向があります。
これは、不快な状況から自分の身を守るための「防衛機制」と呼ばれる防衛反応が働くためです。
つまり、感情が揺れることに対して耐えがたい苦痛を感じるのは、人間の本能的な防衛反応が作用しているからなのです。

無意識にも習慣化してしまうクセ
防衛反応は本能的に自分を不快な状況から守ろうとするものですが、この反応が頻繁に起こるようになると、感情の揺れを許せなくなり、無意識のうちに感情を抑圧するクセが習慣化してしまうことがあります。
その結果、感情が揺れるたびに無意識に抵抗や拒絶をするようになり、ネガティブな感情を反射的に抑圧するようになります。
ネガティブな感情は抑圧されるとさらに増幅する性質があるため、次第に抑圧しきれなくなってしまいます。
これにより、日常的にエネルギーが不要に下がってしまい、人生に生きづらさを感じることが増えてしまうのです。
苦痛を守ろうとする反射的な反応が苦痛を生み出している
本来は苦痛から自分を守ろうとする自分の本能的な反応が、苦痛を感じることに対して抵抗や拒絶を生み、ネガティブ感情を抑圧しようとすることで、余計にネガティブを増幅させてしまいます。
これにより負のループにはまってしまい、自力ではなかなか感情の収拾がつかない状態に陥ってしまうことがあります。

感情は揺れるもの
そういう時にまず思い出してほしいのは、私たち人間にとって感情が揺れることは正常であり、当たり前だということです。
つまり、感情が揺れることは人間の健全な反応なのです。

ですので、感情が揺れることに対して極度な苦痛を感じる人は、自分の心身が正常に反応していることに対して、いつの間にか過度に緊張するパターンが習慣化されてしまったと考えられます。
この一連のパターンを繰り返してしまうことで、感情の揺れに対して過敏になってしまっている可能性があります。
思考のクセ
思考のクセは、大なり小なり誰もが持っているものです。
それ自体が悪いわけではありませんが、時には思考のクセが自分の大切なエネルギーを不要に下げてしまうことが原因で、人生に生きづらさを感じることが多くなってしまいます。
誰もが無意識にも思考のクセを自ら刷り込んでしまう
とは言え、思考のクセを自分に刷り込んでしまった背景には、さまざまなやむを得ない事情があるため、自分を責める必要はありません。
そして、思考のクセを刷り込んでしまった背景には、誰もが必死に不器用ながらも自分の心を守ろうとしていた事実があります。
私たちは、時に自分でも気づかないうちに、さまざまな思考のクセを自分の信念体系として潜在意識に刷り込んでしまうことがあります。
これは誰にでも起こりうることで、生きている以上避けがたいことなのです。

思考のクセとの向き合い方
私たちは、潜在意識に大量の思考のクセを抱えているため、思考のクセを刷り込んでしまう原因を追究したり、細かに見つけようとする必要はありません。
大切なことは、思考のクセの影響を受けてしまっていることに気づくことです。
ネガティブな感情を手がかりに、自分を悩ます症状の原因になっている思考のクセに気づくことです。
自分の思考のクセの存在に気づけるようになれば、そこから始まるネガティブの勢いを抑えつけるのではなく、健全に自分を切り離していくことができるようになります。
思考のクセに気づくためのヒント
自分の人生を生き辛くしている思考のクセに気づくための一つのヒントとして、感情が揺れる感覚が「手がかり」になります。
ですので、感情が揺れるたびに、まずは自分の中で何かしらの思考のクセが発動していることを思い出すようにしてください。
感情の揺れに気づく
感情が揺れること自体に苦痛を感じる人は、感情が揺れるたびに落ち着かない心の状態になるかもしれません。
しかし、まずは感情が揺れることは当たり前のことで、感情は揺れるものだということを思い出すようにしてください。
感情の揺れは、人間の自然な反応であり、これを受け入れることで、より穏やかな心の状態を保つことができます。
感情は、自分の思考のクセが何かにネガティブな反応をしていることを知らせるために、顕在意識に浮上してきます。
ですので、どんなに不快に感じるネガティブな感情であっても、「あ、今、私、何かに反応している」と気づくだけでいいのです。
大切なのは、ネガティブな感情の勢いがつく前に、自分の今の気分をネガティブから「今ここ」に切り替えることです。

ネガティブの勢いを止める
これまでは、ネガティブな感情が浮上するたびに反射的に抵抗や拒絶が起こり、気持ちが落ち着かなくなっていたかもしれません。
しかし、私たちは潜在意識に多くの思考のクセを抱えているため、生きている限りネガティブな感情は次々と顕在意識に浮上してきます。
ですので、ネガティブな感情に過度にナーバスになる必要はありません。
ネガティブな感情に気づいたら、ネガティブの勢いがつく前に、なるべく早めに自分の気分を切り替えて、ネガティブな感情と自分を切り離すようにしてください。
そうすれば、結果的にネガティブの勢いを止めることができます。
ネガティブの勢いが強い時
もしネガティブの勢いが強すぎて気分の切り替えがうまくできそうにない時は、ネガティブな感情を感じることを自分に許してあげてください。

これは感情を抑圧せずに、ネガティブを健全に扱うための大切なステップです。
ネガティブ感情を感じる時の注意点
ネガティブ感情を感じる時は、その瞬間に感じている感情だけを昇華させることを目的に感じるようにしてください。
長時間ネガティブ感情に浸ると、ネガティブがさらにネガティブを引き寄せ、ネガティブループにはまってしまうリスクがありますので、注意が必要です。
ネガティブ感情を感じる際は、その瞬間に感じている感情を短時間で扱うことが正しい方法です。
ネガティブ感情は燃焼する
ネガティブ感情を健全に感じることで、その感情は徐々に燃焼し、しばらくすると薄まっていき、最終的には昇華していきます。
一度、ネガティブ感情を感じ切り、その感情が昇華していく感覚を掴めると、「ネガティブ感情を感じることは、決して恐いことではない」と体感で理解できるようになります。
そうすると、今までのような感情が揺れるたびに落ち着かない気分になって、焦ってしまうことも減らしていけるようになり、ネガティブ感情とも上手につき合っていけるようになります。
大切な自分
ネガティブ感情は、自分の大切な一部です。
思考のクセの根底には、必ず自分の純粋な思いが潜んでいます。
ですので、思考のクセが送り出すネガティブ感情も自分の大切な存在として認めつつ、過度に自分の思考のクセに振り回されないように心がけることが重要です。

不快な感情が顕在意識に浮上してきたときは、抵抗感や拒絶したくなる気持ちを手放して、その感情が存在することを受け入れるようにしてください。
そして、すぐに気分を切り替えて、ネガティブ感情と適度な距離を置くことができれば、その思考のクセは拒絶されず、抑え込まれることもありません。
これにより、ネガティブなエネルギーがこれ以上増幅することがなくなります。
結果として、徐々に落ち着きを取り戻し、感情が揺れる頻度も減らしていけるようになります。
この方法をフルに活用して、ネガティブ感情と上手に付き合っていくようにしてください。

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